鍼灸コラム

鍼灸について

鍼灸治療の仕組みを教えて!効果を得られる理由は?

2018.10.31

鍼灸治療とは、鍼やお灸をツボや患部に使い、それによって身体のバランスを整え、機能の回復をするための治療方法です。その効果は世界保健機関(WHO)に認められており、医学業界からの注目も集めています。しかし、ツボに鍼を刺したり、お灸を据えたりするだけで、なぜ効果が現れたり治療ができたりするのかと考えると、とても不思議なものですよね。今回は、そんな鍼灸治療の仕組みや効果を発揮する理由について掘り下げていきましょう。

 

☆鍼と灸は同じものじゃない!2つの違いに対する認知度は?

鍼灸という言葉は聞いたことがあっても、鍼治療と灸治療の違いを明確に知っているという人はどれくらいいるものなのでしょうか。これらの認知度について調査するため、アンケートを取ってみました。

【質問】
鍼治療と灸治療の違いを明確に理解していますか?

【回答結果】
理解している:29
よくわかっていない:71

調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 – 29 30 – 39 40 – 49
調査期間:2017年06月06日~2017年06月09日
有効回答数:100サンプル””””

★7割はよくわかっていない!?同じものだと思ったという意見も
なんと全体の約7割の人が鍼治療と灸治療の違いを「よくわかっていない」と答えていました。回答は以下です。

・鍼治療も灸治療も自分が実際に受けたことがないからです。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・同じものだと思っていた。(30代/女性/パート・アルバイト)
・鍼とお灸の見た目が違うのは分かるが効果の違いは分かっていないから。(20代/女性/学生)

実際に治療を受けたことがなければ、2つの違いについてはよくわからないものなのかもしれません。なかには全く同じものだと思っていたという意見も。また、鍼とお灸の道具の違いはわかっていても、効果の違いまではわからないという意見も目立っていました。一方で「理解している」と答えていたのは約3割という結果でした。

・どちらも施術経験があるため、違いを認識しています。(40代/男性/正社員)
・母親が鍼灸院に通っていたので。(20代/女性/パート・アルバイト)
・鍼灸師の勉強をしている友達がいたから。(20代/女性/個人事業主・フリーランス)

自らが、あるいは周りで鍼灸の治療を受けた経験がある場合は違いについてもわかっている傾向にあるようです。また、周りで鍼灸師の勉強をしている人がいたという意見も少なくなく、知る機会があると自然と2つの違いについての理解も深まるようです。

アンケートの結果、過半数の人がいまいちわかっていないことがわかりました。そのため、結果的に鍼灸の違いに関する認知度はまだ低いと言えます。実際に治療を受けてみるとその効果の違い、そしてそれぞれの特徴や魅力にも気付けるようですね。

 

☆鍼治療ってどういうもの?仕組みは?

鍼治療とは、その名の通り、針をツボや患部に刺すことで治療する方法です。0.12ミリから0.38ミリまである太さの針を、専用の筒を使って肌へ直接刺入します。どれくらいの太さの針を使うのかは症状や鍼灸師の判断にもよりけりですが、細ければ細いほど痛みも感じにくいのが特徴です。
針の刺し方ですが、ただ刺すだけではなく、大きく分けて単刺と置鍼、パルス鍼の3通りがあり、症状によってどの手法が取られるのかは異なります。単刺は針を刺してから上下や左右に動かす、指で弾いて振動させるなどをした後にすぐ抜く方法です。針を刺したまま10分程度そのまま放置しておく方法が置鍼になります。最後に、パルス鍼は針を刺した後、そこから低周波の電流を流す手法です。このような方法で刺激を与え、免疫系や自律神経系に作用させることで、痛みを鎮静させたり、自己免疫力を高めたりできるとされています。

 

☆灸治療ってどういうもの?仕組みは?

灸治療はもぐさを使用し、熱による刺激を患部やツボへ与える治療方法です。直接灸と間接灸という、大きく分けて2つの治療方法があります。
直接灸は、もぐさを皮膚に直接乗せて着火させる方法です。もぐさの大きさは、米粒程度のものもあれば、小指程度のものまであります。着火したものを直接皮膚の上に乗せておくため、熱による刺激はとても強く、治療後は皮膚に水泡ができることも珍しくはありません。治療の跡として残った部分のことを灸痕と呼びます。
間接灸は、灸点紙と呼ばれる専用の用紙を、もぐさと皮膚の間に入れてから着火する治療方法です。あいだに挟むことによって、もぐさによる熱を和らげてくれるため刺激はあまり強くありません。灸痕も残りづらいため、安全性にも長けています。ほかにも、薄くスライスした生姜やニンニクなどを挟む手法や味噌を塗る手法もあります。これらは隔物灸と呼ばれていますが、現代的な灸治療の視点ではあまりメジャーとは言い難いです。

 

☆どんなメカニズムで発揮されるの?効果が出る理由とは

鍼がなぜ効果があるとされているのか、どのような効果が働いているのかには、実は諸説あります。一般的に知られているのは、刺した針の刺激による免疫系や自律神経系への働きかけによって、鎮静効果や自己免疫力の向上です。しかし、針刺激によって与えられる影響としては他にも、筋肉の緊張が緩んで血液の巡りが良くなることで症状が改善することを始め、末梢神経による痛みの信号を遮断する、痛みを抑えるためのエンドルフィンが脳内に分泌されるなどの説もあります。
灸の場合は、熱刺激による血行改善による効果が主とされているのが特徴です。血行が良くなることで、造血作用が促進される、免疫物質が血液内に分泌されるなどの効果があり、それによる影響で患部の治療に役立てるといわれています。

 

☆鍼灸は同じじゃない?どんな違いがあるの?

鍼灸とセットとして呼ばれることもありますし、鍼灸師という資格や職もあるくらいですから、同じものや似たようなものとして混同する人は珍しくありません。たしかに、患部を治療するという面では一致してはいますが、具体的な治療方法については全く違うものです。
まず、2つの違いの大きな特徴と言えるのは、やはり治療に使用している道具の違いが挙げられるでしょう。鍼治療は患部に針を刺すのに対し、灸治療は燃やしたもぐさを患部に乗せるのが主な治療方法です。
また、治療効果の面でも特徴が分かれます。鍼は治療後すぐに効果を実感できますが、灸の場合は徐々に改善していくものになります。ただ、人によってはこの効果の現れ方が全くの逆で、灸のほうが即効性を感じ、鍼のほうは徐々にしか効かないというパターンもあります。個人の体質の問題はもちろん、どんな症状や疾患を改善するために治療をするのかによっても異なると言えるでしょう。

 

☆まとめ

鍼は針を患部やツボに刺して刺激を与える治療法、灸は燃やしたもぐさを患部やツボに乗せることで熱刺激を加える治療法であることがわかりましたね。また、それぞれに複数の治療の手法があること、効果を発揮するためのメカニズムも異なることについても取り上げました。
どちらも固有の魅力があり、治療の目的やスタイルによってどちらの治療方法を取るべきかが変わってきます。鍼灸治療への理解を深め、自分に合った治療方法を試してみてはいかがでしょうか。

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鍼灸治療には色々な流派や方法があります。
神経や筋を対象に治療を行い自律神経やホルモンの分泌、
血流を改善していく方法や、気・血・津液(水)を対象に治療を行い、
カラダのバランスを整えていく方法があります。
どの治療法もカラダが本来もっている自己免疫力を高めて治療していくのは同じです。
東洋鍼灸専門学校ではしっかりとした基礎技術を学ぶ実技授業はもちろん、
いろいろな流派の第一人者が指導する幅広い実技授業まであります。

東洋鍼灸専門学校 鍼灸科学科長

野田 亮(のだ りょう)

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