鍼灸コラム

ピックアップ

鍼治療の効果って何?発揮するための頻度はどのくらい?

2018.10.31

鍼治療とは、鍼と呼ばれる細い針状のものを身体に刺す治療方法のことです。針のようなものを指すというと痛いイメージがあって心配になるかもしれません。しかし、一般的な鍼は0.2ミリ程度のかなり細い、なおかつ弾力のあるタイプとなっていますから痛みは殆どの場合感じません。そのような鍼を刺していくことでどうして効果を得られるのか不思議に思いますよね。鍼治療の仕組みや具体的な効果、適切な頻度について見ていきましょう。

☆鍼治療ってどういうもの?どんな歴史があるの?

鍼治療は患部やツボに刺すことで身体のバランスを調整し、身体の機能を回復させるための治療方法です。直径が0.12から0.34ミリ、長さ3センチから6センチ程度の極細な鍼を使います。鍼の刺し方として主に採用されているのは管鍼法と呼ばれる方法です。管鍼法は、金属製、あるいは合成樹脂製の円形でできた筒を使い、刺入していきます。筒を使わずに鍼を直接指でつまんで刺す方法もありますが、あまり一般的ではありません。
鍼は元から日本にあった治療法というわけではなく、奈良時代に中国から日本に渡ってきたのち、独自に発展して江戸時代になってから庶民にも広く知られるようになったといわれています。中国では紀元前から広められていたと文献には記されていますし、鍼には2000年以上もの歴史があるのです。

 

☆どうして効果があるの?鍼治療の仕組み

鍼治療ですが、実はただ単純に身体に刺すだけとは限りません。どこに刺すのか、あるいは患部の状態によるものの、刺した後は鍼を上下や左右に動かす、振動させるために鍼を指で弾く、10分程度そのままにしておくなど施術内容は変わります。このような施術でなぜ治療になるのか不思議に思うかもしれませんが、きちんとした根拠はあります。
患部にあるツボに鍼を刺すことで与えられた刺激が、免疫系や自律神経系に作用するため、効果が現れるのです。さらに血液やリンパの代謝をアップさせることにより、筋肉の緊張がほぐれるだけではなく、患部の痛みの解消をしてくれます。鍼治療のメカニズムについて全てが解明されているわけではありませんが、このように効果が出る仕組みがある程度立証されているのは確かです。

 

☆鍼治療にぴったり!効果を発揮できる症状とは?

治療の効果を発揮できる症状はさまざまあります。鍼治療は肩こりや腰痛を治すというイメージが根強いかもしれませんが、他にも自律神経失調症や便秘、眼精疲労など、多くのジャンルで活躍しています。さらに、リウマチや気管支炎、捻挫を始めとした病気や怪我も鍼治療で治せるといわれているのです。他にも、女性が悩みがちな症状である月経不順や生理痛、更年期障害にも対応していますし、子どもの小児喘息や夜尿症などにも効果があるとされています。
これは決して誇大広告というわけではなく、上で紹介した症状はもちろん、運動器系や神経系、循環器系など、数多くの症状に対する鍼治療の効果があることを世界保健機関(WHO)が認めています。つまり、鍼治療の効果に有効性があることは世界的に証明されているきちんとした技術であるということです。

 

☆鍼治療にはどんな効果がある?副作用は?

鍼治療の効果を発揮する症状に関しては多岐に渡りますが、基本的な効果としては痛みに働きかけるものです。鍼を刺すことによって、その刺激で痛みを抑えるホルモンが分泌され、さらに脳に痛みを伝える神経をせき止める働きもあるとされています。また、血液やリンパの流れを良くすることで、身体の自然治癒力も上がる働きがあると考えられています。
続いて副作用ですが、実は鍼治療には全くないわけではありません。高い確率というわけではないですが、一部で副作用の症状が現れている患者も少なくないのが現状です。具体的な症状としては、倦怠感や眠気、ふらつきなどが挙げられるでしょう。施術を受けたことでの疲れから起こる症状とも捉えられますから一概に副作用だとは言い切れませんが、他にも治したいはずの症状が一時的に悪化するという副作用もあります。治療の過程である瞑眩反応として現れることがあるため、覚えておくと良いでしょう。

 

☆効果を発揮する適切な頻度は?一般的に言われているのは?

結論から言うと、どんな効果をどれだけ発揮させたいのかにもよりますし、治したい症状も人それぞれですから、効果を最大限に発揮するための頻度は人によって異なると考えられるでしょう。鍼灸師が言うには毎日の施術でも受ける上では問題ないということですが、鍼治療のメカニズムがすべてはっきりしているわけではないですから、とにかく多く通いさえすればそれだけ良くなりやすいものとは言い切れません。化学的根拠はありませんが、鍼をやり過ぎると耐性が出来て効かなくなっていくという話もあるほどです。何より費用がかさんでしまいますから、効果をより発揮するためだけに無理に毎日通うのは避けたほうが良いでしょう。
科学的には不明瞭な部分がまだ残っているため、頻度に関してはさまざまな説があります。信頼できる鍼灸師に相談しながら、自分にとって適切な頻度を見つけていくというのが、一番良いと言えるでしょう。

 

☆本当に効果を発揮できるのは?経験者が語るベストの頻度

世間的にベストだと言われている頻度がはっきりとはわからない分だけ、本当の所はどれくらいの頻度で鍼治療に通うと良いものなのかは気になりますよね。どれくらいの間隔で通い続けるのが良いと思うのかについて、鍼治療経験者に訊ねてみました。

【質問】
鍼治療を受けるならどのくらいの頻度で行うべきだと思いますか?

【回答結果】
毎日:3
2、3日に1度:13
週に1度:58
2週に1度:29
1ヶ月以上:30

調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 – 29 30 – 39 40 – 49
調査期間:2017年06月06日~2017年06月09日
有効回答数:133サンプル

 

★週に1度がベスト?全体の過半数が回答!
100人中58人が週に1度は通うべきだと回答しています。その理由を見ていきましょう。

・長年悩んでいた肩痛を治すべく受けたことがありますが、やはりあまり間を開けず通った方が効果を感じられました。(40代/女性/個人事業主・フリーランス)
・行ってすぐは体がスッキリして感じますが、少し時間がたつと元に戻ってしまったように感じるので出来れば一週間に一度は行きたいです。(20代/女性/正社員)
・週に一回程度が副作用の心配も少ないので、ちょうどいいです。(30代/女性/無職)

施術後すぐに効果を感じられても、日数が経過すると共に効果が薄れてきたように感じてしまうために定期的に通う必要があるようですね。これらの回答から、大体の人は数日程度で施術の効果を感じられなくなってしまうことがわかります。また、副作用のリスクがある面を考えると、頻度が高すぎないという意味でも1週間に1度が丁度良いものなのかもしれません。次に多いのが1ヶ月以上と回答した人で、その詳細は以下のとおりです。

・2ヶ月に1度だけ、肩こりが酷い時に利用しています。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・本当は間をあけずに集中して通ったほうがいいかもしれないが、高額だし、治療後は1週間ほど調子がよくなるので、その後また不調を感じたときに行くのがちょうどいいかもしれないと思っています。(30代/女性/パート・アルバイト)
・どうしようもない時に針治療を受けた時の効果はてきめんなので、あまり頻繁に通ってしまうと、効果が薄れてしまいそうだから。(30代/男性/無職)

通い過ぎると効果が薄れそうと答えている人が目立っていました。集中して通い続けるよりは、どうしても辛い症状があった時に1度だけ行くつもりで通う人が少なくないようです。継続して治療するというよりは、不調な時にだけ行く人が多いようですし、たまにしてもらうだけのマッサージに近い感覚で利用していると言えそうです。

アンケートの結果、週に1度が良いと答えている人が多数でしたが、月に1度以上という長い間隔で通っている人も目立っていました。徹底的に治療するためか、たまの自分へのご褒美として利用するのかによっても通うべき頻度は変わってきそうですね。

 

☆まとめ

西洋医学とは異なる歴史を歩んできた中国が起源の鍼治療だからこそ、効果に関するイメージはさまざまあると考えられます。しかし、治療として役立てる面は非常に多いですし、WHOにその効果を認められている症状が豊富にあるというのも大きな魅力です。
副作用もあるといわれてはいますが、そのリスクを軽減させ、効果を発揮させるためにも、適切な頻度を担当の鍼灸師と相談しながら施術を受けていけば、特に問題はないと考えて良いでしょう。まずは試してみて、自分に合った鍼治療の頻度を探ってみることをおすすめします。
関連記事:「鍼灸とはどんな効果が期待できる?」

東洋鍼灸専門学校 東洋医学について

  • 参考になった (88)
 
鍼灸は中国を起源としていますが、日本の風土・日本人の器質に合わせて独自に発展してきました。
直径0.18ミリほどの細い鍼を使用してやさしい刺激をカラダに与えます。
血流の改善、自律神経やホルモン分泌を整えたりして、自己免疫力を向上させます。
また、カラダの気・血・津液(水)のバランスを整えて、
カラダ本来の働きを高めていくことも鍼灸の治療になります。
急性であれば2~3日に1回の治療を行い、症状が落ち着いてきたり健康管理であれば、
1週間~1ヶ月に1回の治療を行います。

東洋鍼灸専門学校 鍼灸科学科長

野田 亮(のだ りょう)

役に立ったらシェアお願いします!
だから安心鍼灸師

この記事が気に入ったら
いいね!しよう