鍼灸コラム

鍼灸師について
鍼灸師になるためには?仕事内容から活躍できる場所までまとめて紹介

鍼灸師になるためには?仕事内容から活躍できる場所までまとめて紹介

2019.7.5

年齢や性別を問わずに活躍し、独立開業を目指すこともできる鍼灸師の仕事には、一生もののスキルを獲得できる魅力があります。鍼灸師は、美容や介護・福祉、スポーツ分野など、就職先の選択肢は幅広く、多くの人に感謝され、やりがいを感じる仕事です。

ここでは、鍼灸師になるには、どのような専門資格が必要か、専門学校や大学における学習内容、鍼灸師の年収や将来性に関して、分かりやすく解説します。

鍼灸師とは?

鍼灸師とは、はり師・きゅう師と2種類の国家資格を有し、施術を行う職業です。鍼もしくは灸を使用し、全身のツボを刺激することにより、自然治癒力を高めます。

はり師・きゅう師は、それぞれの資格試験および免許制度を持つ独立した資格です。ただし、同時に取得することが一般的であるため、鍼灸師といった名称を使用します。

以下では、鍼灸師の仕事内容や平均給与に関し、詳しい内容を紹介します。

鍼灸師の仕事内容

鍼灸師の仕事内容は、はり・きゅうの施術、カウンセリングによる状態把握や施術メニューの決定など、多岐にわたります。

具体的には、次のような内容が鍼灸師の仕事です。

脈診(切診) 手首に触れ、脈を診ることにより、気の流れやバランスを確認します。
望診(神技) 顔色や姿勢、動作、舌の色や形、肌の様子など様々な箇所を観察し、身体の状態を把握します。
問診(工技) 患者の気になる症状や食の好み、ストレス、睡眠の状況などを質問し、総合的な情報把握に努めます。
鍼療法 ステンレス製のはりを経穴(ツボ)や反応点に刺し、刺激を与えることにより、血行促進やトラブル改善を図ります。
灸療法 モグサ(ヨモギの葉を乾燥させ、すりつぶしたもの)に点火し、経穴を温めます。肌ときゅうとの間にニンニクやショウガの欠片を挟む方式など、心身の状態に応じた選択肢が豊富です。

東洋医学に対する世界的な関心は高く、WHOの総会において国際疾病分類(ICD)への追加を認める方針が発表されるなど、前向きなニュースが見られます。

また、日本の厚生労働省運営・統合医療に係る情報発信サイトでは、はりの効果に関し、次のような見解が示されました。ただし、統合医療は、鍼灸治療を含む東洋医学・西洋医学、民間療法などを組み合わせ、生活の質を向上させる医療を指します。

多くの研究結果により、鍼治療は、腰痛、首痛、変形性関節症/膝痛など、慢性化することの多い疼痛の緩和に効果がある可能性が示唆されています。また緊張型頭痛の頻度を減少し、片頭痛を予防する効果がある場合があります。従って鍼治療は、慢性痛のある人にとって考えられる妥当な選択肢となるでしょう。
引用元:『厚生労働省「統合医療」に係る情報発信等推進事業』「総合医療」情報発信サイト

適用疾病であること・医師による適当な治療法がないことなど、所定の要件を満たす保険者は、保険治療としてはり・きゅう施術を受けることも可能です。

平均給与について

次に、鍼灸師の待遇に関して紹介します。平均給与は、月収20万円から25万円程度です。ただし、働く現場によって給与水準は大きく異なります。

経験や技能に応じた昇給制度を設ける治療院・医療機関は多く、個々の取組み次第では、収入アップが可能です。介護や医療、美容といった関連分野の知識を習得し、ほかの人材と差別化を行うことでも、市場価値向上が見込まれます。

より高い年収を得るためには、経験と技能をもとに独立し、経営者として活躍する道が選択肢です。お客様の信頼を得て、お得意さまを確保することにより、年収1,000万円水準も目指せるでしょう。

鍼灸師になるためにはどうすれば良いの?

鍼灸師になるためには、専門学校や大学で規程の単位を取得し、はり師・きゅう師の資格試験に合格する必要があります。

鍼灸師資格取得の通信教育・鍼灸師国家試験対策の通信講座は存在せず、専門的な教育機関卒業が必須です。よって、鍼灸師資格を最短で取得するためには、3年制の専門学校に通い、国家試験受験を経て、免許登録を行います。

以下では、専門学校や大学における授業内容と国家資格制度の詳細など、鍼灸師になるまでのステップをより詳しく解説します。

専門学校・大学での単位取得

文部科学省認定の専門学校、もしくは厚生労働大臣認定の専門学校にて3年以上学習し、必要な知識および技能を身につけることにより、国家資格の受験資格を得られます。

専門学校や大学における主な学習内容は、下記の通りです。東洋・西洋の基礎医学を習得したうえで、はり・きゅうに関する専門的な理論を学び、臨床経験を培います。

基礎分野 栄養学・倫理・心理など
専門基礎分野 病理学・解剖学・衛生学・公衆衛生学・病理学・リハビリテーション医学など
専門分野 東洋医学概論・経絡経穴概論・はりきゅう理論・はりきゅう実技・診断学・臨床実習など

専門学校の夜間部では、学業と仕事を両立し、国家資格取得が可能です。医療や介護の専門スタッフとして働く傍らで夜間部に通い、治療技術の向上や専門資格取得を目指す人も多くいます。

国家資格の取得

専門学校・大学を卒業した後、毎年1回実施される「はり師国家試験」「きゅう師国家試験」を受験します。各資格の概要は、次の表の通りです。

  はり師国家試験 きゅう師国家試験
試験方法 四肢択一式の筆記試験のみ。実技試験は実施しない。
受験手数料 各試験に対し、11,600円
合格率(2019年度) 93.1% 94.2%
試験科目 医療概論・衛生学・はり理論・関係法規など13科目 医療概論・衛生学・解剖学・きゅう理論・リハビリテーション医学など13科目

各試験の共通科目は、受験者の申請によって免除されます。そのため、同時に受験することが一般的です。

専門学校・大学における学習内容を正しく理解し、模擬試験などを通した準備を行うことで、十分に対応できます。

鍼灸師が活躍できるフィールド

免許取得後は、東洋医学の専門家として就職し、多種多様なフィールドで活躍します。具体的には、次のような分野における活躍が可能です。

鍼灸院・接骨院 鍼灸師の多くが働く就職先です。技術職だけではなく、チェーン展開する店舗の店長候補や院長募集の求人も見られます。
医療機関・リハビリテーション施設 医師や理学療法士、柔道整復師とチームを組み、リハビリテーションや健康維持を支援します。
スポーツ施設・スポーツ整骨院 スポーツトレーナーとして就職し、アスリートの体調管理やケガの予防を担当します。スポーツ医学に精通した整骨院スタッフとして、スポーツ選手のサポートを行う道も選択肢です。
エステサロン 美容鍼灸院やエステサロンといった美容分野でも、鍼灸師が活躍します。シワやたるみ、眼精疲労といった悩みに応じ、鍼灸施術を行う仕事です。
女性向け鍼灸院 月経トラブルや更年期障害など、婦人科領域のトラブルでは、主にストレスケア目的の鍼灸施術が検討されます。レディースクリニックや病院の提携サロンに就職し、医師より受ける指示のもと、患者に対する施術を行う役割です。
介護・福祉施設 高齢化社会の進展を受け、需要の高まる分野です。介護・福祉施設に就職し、入居者に対する鍼灸施術や訪問によるサービスの提供を行います。
教育研究機関 研究者として、東洋療法(はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧)の治療技術向上・人材育成を支援します。

近年では、地震や津波など大規模災害に見舞われた人に対する、ボランティア活動を行う動きが注目されています。鍼灸師の活動を通し、心的トラウマやストレスの予防・早期発見・解消を目指すための取組みです。このような活動に参加し、社会貢献を行うキャリアも選択できます。

まとめ

鍼灸師の仕事内容と活躍フィールド・資格の取得方法について紹介しました。鍼灸師になるための資格を通信教育や自主的な学習により、取得することはできません。専門学校や大学に通い、解剖学や生理学、はり理論・きゅう理論を学ぶことが鍼灸師になるための最初の一歩です。

専門学校や大学の体験入学イベントでは、講義内容や実技の疑似体験が可能です。鍼灸師の仕事内容に関して理解を深める重要な機会ととらえ、有効に活用しましょう。

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