鍼灸コラム

鍼灸師について
鍼灸院開業に必要な3つの基礎知識|独立したい鍼灸師は要確認!

鍼灸院開業に必要な3つの基礎知識|独立したい鍼灸師は要確認!

2019.6.28

鍼灸師として働くにあたり、鍼灸院を開業したいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、実際に鍼灸院を開業する際は、開業に必要となる資格や資金、開業までの手続きの方法を把握し、計画的に運営していかなければなりません。

今回は、鍼灸院を開業するにあたって、知っておくべき基礎知識や気をつけるべき点について、解説します。鍼灸院の開業を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

【鍼灸院開業の基礎知識①】必要となる資格と手続き

鍼灸院を開業する場合は、資格の取得や書類の提出が必要となります。また、開業する鍼灸院の名前を決める際は、医療法や医師法に触れる名称は使用することができません。そのため、鍼灸院を開業する際は、必要となる資格や書類の他にも、鍼灸院を開業する際の規定について、事前に確認しておくことが大切です。

ここでは、鍼灸院の開業に求められる資格と提出種類の詳細、さらに開業するための手続きの流れを紹介します。

「はり師」「きゅう師」の国家資格取得

鍼灸院を開業するためには、「はり師」または「きゅう師」の国家資格を取得していることが前提です。はり師・きゅう師は、専門知識と技術の2つを身につけることで、国家資格を取得することができます。

はり師・きゅう師の国家試験を受けるためには、厚生労働大臣の認定を受けている鍼灸の専門学校で900時間の実技実習を行い、定められた過程を修了することが必要です。

<2019年度のはり師・きゅう師の国家資格取得率>

  国家資格取得率
はり師 93.1%
きゅう師 94.2%

鍼灸の専門学校や大学で養成課程を経て国家資格に合格すれば、同時に鍼灸院の開業権を取得することができます。

「施術所開設届出書」と「開業届」の提出

鍼灸院を開業する際は、「施術所開設届出書」と「開業届」を保健所へ提出します。

施術所開設届出書とは、「施術所の治療室や待合質の広さは、鍼灸院を開業するための規定を満たしているか」「施術者は、はり師・きゅう師の国家資格を持っているか」を確認する書類です。開業届とは、事業をスタートさせる際に税務署へ提出する書類です。

施術所開設届出書と開業届は、それぞれ記載内容が異なるため、必要となる情報を事前に確認しておきましょう。

以下は、施術所開設届出書と開業届の記載内容・提出先・提出期限を表にまとめたものです。

  施術所開設届出書 開業届
記載内容
  • ・施設名称
  • ・構造設備概要
  • ・納税地
  • ・職業
  • ・個人番号
  • ・開業日など
提出先 管轄する保健所 管轄する税務署
提出期間 施術所の開設から10日以内 事業開始から1カ月以内

施術所開設届出書を提出する際は、施術所開設届出書と一緒に「施術所の平面図」と「周囲の見取り図」を提出します。施術所の平面図には施術室の面積、周囲の見取り図には施術用器具の配置場所を詳しく記載しましょう。施術所開設届出書とともに、施術者の免許証の原本と写しも提出するため、併せて事前に用意しておくことが大切です。

開業届を提出する際は、開業届と一緒に「青色申告承認申請書」を提出することで、確定申告の準備をスムーズに行うことができます。

【鍼灸院開業の基礎知識②】立地の選び方

鍼灸院は、施術所の立地によって集客率が大きく異なります。施術所の場所や広さ、設備などに細かい規定が設けられているため、施設の立地は、患者が気軽に利用しやすい場所を選ぶことが重要です。

ここでは、鍼灸院を開業する上で重要となる立地の選び方について解説します。

利便性が良い人通りの多い場所を選ぶ

より多くの方に鍼灸院の存在を知ってもらうためには、人通りの多い場所を選ぶことがポイントです。駅やバス停から近い場所に鍼灸院を開業することで、通いやすいだけでなく、人目につきやすくなるため、集客率を上げることができます。
また、鍼灸院に通う方の中には、足腰の悪い高齢者の他、スポーツをしている学生も多いため、学校や高齢者が利用する施設に近い場所で開業しても良いでしょう。

さらに、沿線や交通量が多い道路沿いは、鍼灸院の開業に最適な立地です。会社帰りの方や、買い物中の方の目につく場所で開業することで、高齢者や学生以外の方の利用を期待できます。周辺にマンションや住宅街があるエリアで開業することもおすすめです。

施術室と待合室の面積の規定に注意する

鍼灸院を開業するにあたり、施術室と待合室の面積には制限があるため、注意しましょう

以下は、施術室と待合室に必要とされる室面積を表にまとめたものです。

  面積
施術室 6.6平方メートル以上
待合室 3.3平方メートル以上

また、施術室は、室面積の他にもいくつか規定があります。鍼灸院を開業する際は、以下の規定をしっかりと守った上で、鍼灸院の構造を決めましょう。

  • 室面積の7分の1以上に相当する部分を外気に開放できる
  • 施術に用いる器具や手指などの消毒設備を完備している
  • 構造上、住居・店舗などから独立している
  • 施術用のベッドを2台以上設置する場合、それぞれカーテンで区切り、患者のプライバシーに配慮する

施術室は、室面積の7分の1を外気に開放できることと定められていますが、施術室の7分の1を外気に開放できない場合は、換気装置が設置されていれば問題ありません

待合室については、室面積以外に細かな規定はありませんが、待合室と施術室の区画は、壁やパーテーションなどの固定壁で完全に仕切られていることが定められています

【鍼灸院開業の基礎知識③】経費となる出費の種類

鍼灸院を開業するにあたり、さまざまな経費が必要となります。テナントを借りて開業するか、自宅で開業するかによってトータルの費用が大きく異なるため、事前に開業に必要となる経費について把握しておきましょう。

自宅で鍼灸院を開業する場合、敷金・礼金などはかかりませんが、生活感を出さないように配慮するなど、患者のニーズを高めるための工夫が必要です。テナントを借りて開業する場合は、自宅開業とは異なり、敷金・礼金の他、保証金が必要となります。保証金は、家賃の半年分から15か月分が相場です。

また、鍼灸院の開業には、施術所で使用する備品の設置費用も必要となります。看板・治療ベッド・シーツ・タオルを用意する他、患者に合った施術内容を提供するためにも、鍼治療で使用する鍼の種類は豊富に取り揃えておきましょう。

設備投資にかかるコストを最小限にしたい場合、ベッドやタオルなどが備え付けられているレンタルサロンを利用する方法があります。レンタルサロンで鍼灸院の経営の流れやコツを掴んだ後に、テナントを借りて本格的に鍼灸院を開業しても良いでしょう。

鍼灸院を開業するにあたり、集客を行うことは重要です。集客に効果があるチラシや情報誌などを用いる場合は、広告の作成や配布にかかる広告宣伝費が必要となります。

鍼灸院の主な宣伝方法としてチラシや情報誌が挙げられますが、SNSを利用して鍼灸院を宣伝する方法もあります。チラシや情報誌などの紙媒体の広告に10万円程度のコストがかかることに対し、InstagramやTwitterなどのSNSは無料で始められるため、広告宣伝費を大幅にカットすることが可能です。

まとめ

鍼灸院を開業するためには、国家資格の取得と書類の提出が必要となります。鍼灸院の構造や名称には細かい規定があるため、事前に確認しておきましょう。

鍼灸院を構える場所としては、人通りの多い住宅街の近くや、アクセスしやすい大通りなどが適しています。人目につきやすい場所で鍼灸院を開業することにより、集客率が上がるだけでなく、早期に知名度を上げることが可能です。

コストを抑えつつ始められる自宅開業や便利なレンタルサロンを活用し、自分に合った開業スタイルを見つけて、患者の体の悩みを解決できる鍼灸院を目指しましょう。

  • 参考になった (1)
 
役に立ったらシェアお願いします!
学校見学会のお申込みはこちら
鍼灸院開業に必要な3つの基礎知識|独立したい鍼灸師は要確認!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう