鍼灸コラム

鍼灸師について

知りたい!鍼灸師にできること

2018.3.27

大掛かりな手術や科学的な薬を使わず、鍼と灸だけでさまざまな病気や症状を治療するのが鍼灸師です。「人間の自然治癒力」を高めて症状を改善する鍼灸師は日本のみならず世界でも注目されています。古くから多くの人々を治療してきた鍼灸師という仕事ですが、その内容についてきちんと知っている人は少ないのではないでしょうか。そこで、鍼灸師がどんな治療を行うのか、将来的に活躍できるフィールドなどについて分かりやすく解説します。

 

☆鍼灸師にできることって?

鍼灸師とは正確にいうと、「はり師」と「きゅう師」という2つの国家資格をもつ人のことをいいます。「鍼灸師」という資格があるわけではなく、あくまでも便宜上そう呼んでいるだけです。鍼灸師はその名前の通り「はり」と「きゅう」を使って身体のバランスを整え、人間が本来持っている自然治癒力を高めることで病気やけがの予防と治療をします。自然治癒力とは、転んでひざを擦りむいたときにかさぶたができ、放置していれば元通りになる力のことです。現代人はストレスや乱れた食生活などによってこの自然治癒力が弱まっている人が多くいます。鍼灸師は弱った自然治癒力を高めることで、薬に頼らない治療をすることが可能です。病気の治療には大きく分けて「東洋医学」と「西洋医学」があり、鍼灸師の治療は東洋医学に分類されます。東洋医学では「人間に本来備わっている自然治癒力を高めて内側から病気の原因を取り除く」という考え方で病気の治療を行います。一方、西洋医学は「病気は外的要因によって起こり、それを手術や薬によって取り除く」という考え方です。東洋医学を根本にする鍼灸師は、その人の症状に応じて人体に存在する361のツボに約0.2mm~0.3mmの鍼を刺し、症状を治療したり予防します。東洋医学においてツボは「人間の気の流れや血行の流れを司る」とされており、鍼灸師はツボを刺激することで人間の自然治癒力を高めることができるのです。ツボを刺激すると自律神経が刺激され、免疫力が向上したり筋肉の緊張をほぐしたりすることができます。これによって血液やリンパの流れが良くなるので、筋肉や靭帯の損傷や疲労だけでなくアトピーやアレルギーなど体の内側も強くすることが可能です。西洋医学のように外科手術による傷跡や薬による副作用がないのも鍼治療の特徴になります。「手術跡が残るのが嫌」という人や高齢で手術ができない人にも施術ができる鍼灸師は、日本だけでなく世界でも注目されている職業です。

 

☆どんな症状の改善や緩和ができるの?

「鍼や灸」と聞くと「肩こりや腰痛に効くんでしょ?」と思っている人が非常に多くいます。しかし、鍼灸治療の効果は肩こりや腰痛だけにとどまりません。便秘や下痢などの消化器系の病気、気管支炎や喘息などの呼吸器系の病気、さらに貧血や糖尿病などの内分泌系の病気など30種類以上のけがや病気に効果が認められています。他にも、高血圧や動脈硬化などの循環器系の病気に花粉症やアトピーなどアレルギー系の病気にも効果があります。鍼灸治療の効果効能は日本だけでなく世界中の医療機関で研究がなされ、その有効性が証明されています。たとえば、神経痛やリウマチなどの症状に対しては、感覚機能が異常に高まっている状態を抑える働きをするのが鍼治療です。筋肉のこわばりや血行不良といった症状には、灸治療の温熱作用により血管が収縮・拡張し充血や貧血を起こしている箇所を改善します。「一般の病院に通っているが神経痛が治らない」「症状が慢性化している」という人を治療できるのが鍼灸師の魅力です。鍼灸治療は一般の病院が行っている西洋医学とは全く別のアプローチで症状に向き合います。「病院でもなかなか治らなかった症状が鍼灸治療で改善した」と自分が施術した患者にいわれたときは仕事のやりがいを感じることでしょう。その他にも、「薬の服用のしすぎで症状がさらに悪化した」という人も鍼灸師は治療を施すことができます。東洋医学をベースにしている鍼灸治療では薬を使わず鍼とお灸だけで治療するので、薬の副作用は心配ありません。また、漢方との相性も良いので、漢方治療を平行して行うのも1つの方法です。鍼灸治療は全身の血行やリンパの流れを改善し、人間が本来持っている自然治癒力を高める治療になります。根本から人間の体を強くするので「受診した症状以外の箇所も良くなった」「毎日が元気に過ごせるようになった」という人もいるほどです。

 

☆幅広い活躍フィールド

鍼灸師の活躍は病院やクリニックだけにとどまりません。鍼灸治療の効用がいろんな業界や業種で認められ鍼灸師の活躍の幅は非常に広がっています。たとえば、スポーツの分野です。スポーツをしている人にはつきものである「けがや打ち身」などは鍼治療によって効果的に改善することができます。ほかにも、鍼治療は全身のツボや体の調子を整えるので、選手の体のケアやメンテナンスも鍼灸師の仕事です。特に、トップアスリートにもなれば体のコンディションは非常に重要なポイントになります。そこで、多くのアスリートが鍼灸師の治療を受けているのです。スポーツ以外にも美容分野や介護・福祉分野も鍼灸師の活躍の場になります。内側から体の不調や心身の乱れを治すのでダイエットはもちろん、肌荒れや便秘など多くの女性が悩む問題を解決することが可能です。他にも、お灸による治療は心身をリラックスさせる働きがあるので、リラクゼーションとして美容の一環にもなっています。介護・福祉の分野では、鍼灸師が直接介護施設や福祉施設に出向き高齢者に治療を施す活動も活発です。副作用の強い薬を使わない施術は、免疫や耐性が弱いお年寄りでも安全に受けることができます。また、医療施設において「手術や薬では治療できない患者」に対して治療を施すことができるのも鍼灸師が注目される理由です。人間の自然治癒力を呼び覚ます鍼灸治療によって、症状が改善したという人もたくさんいます。こうした幅広い活躍の場があるのが鍼灸師という仕事です。

 

☆こんな人に向いている!

「人と接するのが好き」「人の役に立ちたいと思っている」という人は鍼灸師に向いているといえるでしょう。鍼灸師は治療を行う前に患者といろんな話をします。普段の生活習慣やどんな活動をしているのか、患者との会話を通じて「この人はどんな症状なのか」「どういう治療が良いのか」を決めるためです。したがって、どんな患者でも意思疎通ができるコミュニケーション能力が必要になるでしょう。また、「人体に興味がある」という人も鍼灸師に向いています。鍼灸師は人体に関する膨大な知識を頭にいれておかなければなりません。大きなツボだけでも360カ所、細かいツボを含めると約2000カ所も人間にはツボがあります。「このツボを押すとどうなるのか」「この症状にはこのツボが効く」ときちんと理解しておかなければ鍼治療はできません。「人体の構造や仕組みに興味がある」というのはそれだけで鍼灸師としての素質があるともいえます。他にも、「医療・福祉・美容分野で活躍したい」「安定した職業に就きたい」という人も鍼灸師に向いているでしょう。かつてのように鍼灸師になれば、まずは就職してその後、独立開業という流れだけではありません。スポーツ・美容・福祉・医療などさまざまな分野に活躍の場は広がっています。そして、今後より活躍の場が広まるにつれて鍼灸師の需要も高まっていくことでしょう。「安定した職業に就きたい」という人にも鍼灸師はピッタリの職種といえます。

 

☆あわせてとると有利な資格

鍼灸師に合わせて取っておきたいのが「柔道整復師」の資格です。柔道整復師とは、スポーツや事故による骨や筋肉、靭帯への負担を減らし、自然治癒力を高める施術を行う仕事になります。街中でよく見かける「整骨院」「ほねつぎ」という看板は柔道整復師が開業している医院やクリニックです。鍼灸師の資格に合わせて柔道整復師の資格を取っておけば、鍼や灸だけでは対応しにくい患者も診ることができます。また、「按摩・マッサージ・指圧師(国家資格)」などの資格も仕事の幅を広げてくれるでしょう。鍼灸師の資格を取る過程で学ぶ東洋医学の知識や人体の知識は、そのまま柔道整復師や指圧師の資格取得に役立ちます。

 

☆鍼灸師はやりがいのある仕事

鍼灸師はできることが幅広く、たくさんの患者を治療することができます。西洋医学では治せない患者も鍼灸師であれば治せる可能性がある点も魅力のひとつです。また、自分が直接施術するので患者の症状が治ったり改善したときには非常に喜んでもらえます。「長年続いていた腰痛がなくなった」「アトピーやアレルギーの症状が治まった」と喜ぶ姿を見ると仕事のやりがいを感じることでしょう。「人の役に立つ、やりがいのある仕事がしたい」という人は鍼灸師をめざしてみてはいかがでしょうか。

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