鍼灸コラム

鍼灸師について

いったいどのくらい?鍼灸師の年収

2018.11.7

治療院からスポーツ鍼灸、美容鍼灸まで活躍の場が広がり続ける鍼灸師。気になるのは、鍼灸師として働くにあたりどれくらいの収入を得られるのかということではないでしょうか。鍼灸師の資格は、治療院や介護福祉施設への就職はもちろん、独立開業や他の資格と組み合わせてスキルの向上を目指せる国家資格です。人によりさまざまな働き方があり、またその形態によって年収は異なります。そこで、働き方別・鍼灸師の年収相場と、どうすれば高額収入を目指せるのかについて紹介します。

 

☆鍼灸師の年収相場

鍼灸師の年収相場は約350〜500万円で、月収でいうと18〜30万円です。新米の鍼灸師からベテランの鍼灸師まで、その経験によって大きな差があります。そのため、経験を積んでスキルを磨けばおのずと収入の増加を見込める職業です。収入は働き方によっても大きく異なり、治療院や介護福祉施設でスタッフとして働いた場合と、独立開業した場合では倍ほどの差が出る可能性があります。多くの患者さんに鍼灸師としての技術を認められ、独立開業した場合の年収は、700〜1,000万円以上も夢ではありません。その際には技術の向上のみならず、経営に関する知識もしっかりと習得する必要があります。しかし、高収入は目指したいがリスクが伴う独立開業には自信がないと足踏みする人もいるでしょう。その場合はチェーンの治療院で院長になるという方法もあります。いち従業員として雇用されるよりも収入は上がり、月収50万円以上も可能です。さらに、基本的な福利厚生制度も導入されているため、とても安定していると言えます。そして、マッサージ師や柔道整復師など、他の資格を取得した場合にも、患者さんからの需要の幅が広がるため高収入を期待できます。鍼灸師は、向上心を持って経験と技術を積むほど多くの患者さんを得られ収入も上がる、やりがいと結果が比例する仕事です。

 

☆治療院のスタッフの場合

鍼灸師としての働き方で一番イメージしやすいのは治療院での就業ではないでしょうか。治療院で働いた場合の年収相場は350〜400万円で、月収でいうと18〜25万円です。治療院は平均1日10時間ほど開院しており、日・祝が休みであることが多いです。土曜日は午前中のみ開院している治療院もありますが、ほとんどの治療院ではシフト制を採用していて、週5日の勤務時間は休憩を除いた8時間が一般的です。年収は、鍼灸師の経験値や治療院の給料形態によって異なります。治療院では一般的に、毎月決まった金額がもらえる「固定給」が多く、一部では「歩合制」を取り入れているところもあります。固定給の治療院では、経験や勤続年数により昇級する場合があり、そのため長く治療院に勤務すればそれだけ収入のアップが見込めるでしょう。歩合制は、勤続年数に関係なく患者さんからの指名が給料の金額に反映される制度です。したがって、自分を指名してくれる患者さんが増えればおのずと高収入を得られるようになります。固定給制の治療院の平均月収が18〜25万であるのに対し、歩合制の治療院では人によって月収50万円に達することも可能です。しかし、多くの指名を安定して得るために必要なのは、経験年数や技術力だけではありません。患者さん一人一人と親身になって向き合えるコミュニケーション能力が求められます。

 

☆独立開業した場合

治療院での勤務は、その勤続年数やスキル・経験に伴って昇給が見込めるとはいえ、限度があります。そこで、鍼灸師を目指す多くの人は独立開業を視野に入れています。独立開業すれば平均年収は700万円を超え、技術や経営能力によっては1,000万円以上も可能です。また、勤務時間や働き方なども治療院での勤務とは異なり自分の裁量で全て決めることができるため、他の勤務形態より比較的自由がききます。さらに、在宅介護が推奨されている中、働き方のひとつとして訪問治療サービスの需要は今後も上がり続けるでしょう。やり方次第で初期費用を抑えた独立開業も狙えます。しかし、鍼灸師の資格を取っていきなり開業することは、誰にとっても容易なことではありません。独立開業した場合の収入は、売上金額がそのまま影響します。だからといって高額な値段では、いくら技術力が高くても患者さんは来てくれません。鍼灸の治療は、体の健康に関わる治療であるのにもかかわらず、多くの場合で保険の適用が難しいです。その点において、患者さんの考え方と値段の間でギャップが生じます。したがって、値段設定は経営者の頭を悩ませるひとつの要因と言えます。鍼灸院では何分何円という値段設定をすることが一般的ですが、自分のスキルに見合ったリーズナブルな価格を設定し、固定の患者さんを獲得することが安定した運営には大切です。専門学校では、開業のノウハウを得るための支援セミナーや、独立のための支援プログラムを行っているところもあります。そのような制度を利用して、開業を目指すのもひとつの方法です。

 

☆チェーン店院長

鍼灸師として高い収入は目指したいが、安定感が欲しいという人には、チェーン店の院長を目指す道があります。地域ごとや全国にチェーン展開している治療院での勤務は、もともと定められた運営方式が存在し、経営の知識も独立開業する場合ほど高い水準である必要はありません。チェーン店の院長になれば、月収50万円以上の高収入を得ることも可能で、充実した福利厚生のもと安定した生活が送れます。しかし、実際のところ、鍼灸師の国家資格を取得した直後の実務未経験者がいきなりチェーン店院長になれる可能性はとても低いです。院長になるためにはそれ相応の経験と技術が求められます。また、院長として働くには部下をマネジメントする能力も必要です。チェーン店の院長として高収入を目指す人は、まず治療院に勤めて経験を補い、技術を向上させましょう。そして、自分自身を成長させるその中で、地位を高めて後輩の指導やトレーニングに携わり、部下をマネジメントする能力を習得しましょう。

 

☆高額年収を目指すには?

鍼灸師になるためには国家資格に合格する必要があるため、鍼灸師とは言わば、患者さんの健康のために働く国から認められた医療人です。そんな確固たる資格を持つ鍼灸師は、あらゆる方法で高収入を目指すことができます。前述した独立開業はもちろん、他の資格を取得することで施術の幅を広げ、結果的に収入のアップにつなげることが可能です。たとえば、柔道整復師の資格を取得すると、鍼灸治療院だけではなく接骨院や整骨院で勤務することができます。柔道整復師とは、骨折・打撲・捻挫などの骨や関節、靭帯に関わる損傷を手術なしで治療することができる専門家です。保険適用の治療も多く、患者さんからの需要も高いです。民間資格の整体師とは違い、鍼灸師と同じ国家資格のひとつです。最近では、接骨院や整骨院だけではなく、ジムのスポーツトレーナーやパーソナルトレーナーとしても活躍の場が広がっています。また、あん摩マッサージ指圧師の資格を取得すれば、治療院だけでなくリラクゼーションやエステをメインとしたサロンでの勤務も可能です。あん摩マッサージ指圧師は言葉通り、あん摩・マッサージ・指圧を用いて体の調子を整え、改善へ導く専門家です。癒しを与えるリラクゼーションだけではなく、凝り固まった筋肉の緩和や関節の不具合を改善する治療マッサージも含まれます。そのため、介護施設やデイサービスなどで「機能訓練指導員」としての需要が高く、今後ますますの活躍が期待される国家資格です。柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師の資格を個別で取得し、各治療院で勤務した場合の年収相場は、鍼灸師と同じく350〜400万円です。しかし、鍼灸師とこれらの資格を組み合わせることで「整復ができるスポーツ鍼灸師」、「リラクゼーション施術ができる美容鍼灸師」として付加価値を与えることができます。また、これらの資格を持ってプロチームの専属スポーツトレーナーになれば500〜1,000万円の高収入も望めます。幅広く専門性を高めた鍼灸師として、独立開業する際にも多くの患者さんを得られるでしょう。

 

☆鍼灸師の年収は働き方次第

鍼灸師にはいろいろな働き方があり、それにともない年収の幅も広く、働き方次第でかなり高額な収入を狙うことができます。治療院で働くにせよ独立するにせよ、鍼灸師が収入を上げるために大切なのは、まず技術を磨くこと。そして、自分の技術に付加価値をつけることです。鍼灸師を単なる鍼灸に携わる専門家として捉えるのではなく、人を健康へと導く医療人であると考えましょう。そして、患者さんの健康の悩みを解決するために、鍼灸師だけではなく柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師の国家資格取得も視野に入れ、幅広い治療に携われる鍼灸師を目指せば収入アップへの道もぐんと近づきます。どんな鍼灸師になりたいか、さまざまな選択肢の中から目標を定めて前進しましょう。

 

  • 参考になった (10)
 
鍼灸師・鍼灸あん摩マッサージ指圧師は国家資格ですので、
資格によって収入の増加と仕事の幅を増やすことができます。
ただし、さらなる高収入を狙うのであれば、
資格や臨床経験などの付加価値も重要となります。
例えば、美容や婦人科系を得意とする鍼灸院であれば、
それを必要とする患者さまの来院を期待できます。
将来を見据え、自分の得意とする分野を伸ばしてゆくのが良いでしょう。

東洋鍼灸専門学校 2学年主任

瀧口 定弘(たきぐち さだひろ)

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