鍼灸コラム

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鍼灸師とは?鍼灸師の目指し方や仕事について

2018.3.2

日々忙しく働く現代人にとって、毎日のデスクワークによる肩こりや眼精疲労といった身体の悩みは尽きないものです。また、マッサージやリラクゼーションサロンのニーズも多様化し、「鍼灸師」という仕事にもニーズが高まっています。このような時代に、「手に職をつけたい」という思いから、鍼灸師の仕事に興味を持つ人もいるのではないでしょうか。そこで、「鍼灸師」とはどのような仕事なのか、どのようにすればなれるのかといった基礎知識や、どのような活躍の場があるかなどを解説していきます。

 

☆鍼灸師とは国家資格をもつ治療家!

「鍼灸師」とは、「鍼(はり)」「灸(きゅう)」という東洋医学にもとづいた方法を用いて、身体の不調をやわらげる治療をする仕事です。鍼治療では、身体のツボに針をさして刺激を与えることで、痛みや不調の症状を和らげることができます。灸は、身体のツボに「もぐさ」と呼ばれるよもぎの葉のから作られた薬草を熱したものを当て、その温熱効果で不調を改善していきます。いずれも肩こりや腰痛の緩和、自律神経や女性ホルモンのバランスの調整など、幅広い症状に有効とされているのが特徴です。身体の不調の原因となる症状を直接取り除くという考え方の西洋医学とは異なり、鍼灸とは病気から身体を守るための免疫力や回復力を高めていくことで、「自己治癒力」を高めていくことを大きな目的としています。「手術」や「薬」といった西洋医学的なアプローチではなかなか根治しにくい、慢性的な不調の回復を助けるものとして、「鍼灸」という治療法は注目されています。鍼灸師は、いわば「東洋医学の専門家」ともいえる、特別な医学的知識が必要な仕事です。国家資格のある専門職ですが、「鍼灸師」という資格があるのではなく、「はり師」「きゅう師」という2つの資格をとることが必要になります。

 

☆鍼灸師になるにはどうしたらいいの?

はり師・きゅう師ともに国家資格で、誰でも取れるわけではありません。まず、国家試験を受ける前に、はり師・きゅう師の養成課程のある学校で学ぶことで受験資格を満たすことができます。具体的には、高校卒業後に「鍼灸の専門学校(3年制)」「鍼灸学科のある4年制大学(または短大)」に進学する必要があります。一般の大学や短大を卒業した人や社会人の場合も、鍼灸を学べる専門学校や大学・短大に入り直し、卒業しなければならないのです。卒業後にようやく国家試験を受けることができますが、チャンスは年に1回のみです。毎年2月下旬に筆記試験が行われ、はり師・きゅう師を同時に受験することもできます。もちろん、一方ずつ受験することも可能ですが、その後の仕事の幅を考えると、両方の資格を持っていた方が有利でしょう。合格すると晴れて厚生労働大臣免許が与えられ、鍼灸師としての仕事ができるようになります。鍼灸師になろうと思い立って専門学校へ行き、一発で国家試験に合格したとしても最短で3年以上の時間がかかることになるわけです。特に、社会人になってから方向転換して鍼灸師を目指す人にとっては、相応の覚悟と労力が必要になります。

 

☆鍼灸師の仕事って?

鍼灸師の仕事の魅力は、まず何より、専門知識を持ったプロとして働ける点でしょう。自分の判断と技術によって患者さんを治療することができ、自らの施術によって患者さんの悩みや症状を解決できたときの喜びはひとしおです。患者さんから直接感謝の声を聞くことができるので、日々の仕事のモチベーションも上がります。また、一見すると、鍼でツボを刺激したり、灸で患部を温めたりする治療のプロセスは同じでも、患者さんの症状は実にさまざまです。カバーする疾患の範囲が広いのは鍼灸治療の大きな特徴であり、経験を積めば積むほど専門性も深まっていきます。キャリアを積んでいくことで、ある分野に特化してさらなる専門性をきわめたり、地域の駆け込み寺としてあらゆる分野の治療を行ったり、仕事の幅を自分で決めていくことができます。仕事内容はもちろん、「働き方」という点でもメリットの多い仕事です。たとえば、鍼灸院など既存の施設で雇われて働くこともできれば、自分で独立して施設をオープンすることもできます。また、子どもが小さなうちは家族との時間を優先して働き、子どもの手が離れたらフルタイムで働くなど、ライフステージに合わせて自分のペースで働き方を変えることも可能です。配偶者の転勤などにともなう引越しやU・Iターンによる引越しがあったとしても働く場所を選びません。国内だけでなく、海外に行っても活躍の場があるのもうれしいポイントです。そして、定年もないので、体力の続く限り現役で仕事を続けることもできるでしょう。こうした働き方の自由度の高さは、国家資格を持った専門的な仕事ならではの魅力だといえます。

 

☆鍼灸師はどこで活躍できる?

鍼灸師の活躍の場は、年々幅広くなってきています。就職先としては、鍼灸院・鍼灸接骨院・治療院といったような鍼灸治療をメインとする施設が一般的ですが、介護・福祉施設や医療機関へ進む道もあります。また、美容鍼灸やエステサロンといったような女性の美容目的の施術を専門的に扱う施設も増えてきました。美容鍼灸とは、ほうれい線のリフトアップやしみ・しわ・たるみなど加齢による肌の悩みを解決するものとして徐々に認知されてきており、ニーズも高まっています。その他にも、鍼灸資格を持つスポーツトレーナーとして活躍することもできます。「ケガを予防して、コンディションを整える」「身体機能の向上をサポートし、競技のパフォーマンスを上げる」といった鍼灸の活用方法があるのです。万が一けがをしてしまった場合は、痛みや腫れをやわらげる治療も行ないます。スポーツトレーナーになるには、プロチームやアスリート個人と直接契約をする場合や、スポーツ現場へのトレーナー派遣を行っている治療院に勤務する場合があります。さらに、大学院などに進み、鍼灸学を専攻することで研究者となる道もひらかれています。臨床現場だけでなく、教育機関や研究機関で高度な研究を重ねることで、鍼灸学の発展に尽力するのもまた重要な役割です。学んでいくなかでもっとも興味を持った分野に進めるのも、鍼灸師の魅力のひとつといえます。

 

☆鍼灸療法はこんな疾患に有効!

鍼灸療法とは、具体的にどのような疾患に対して効果を発揮するのでしょうか。もっとも一般的に認知されているものとして、肩こりや腰痛、膝の痛みなど、運動器系疾患の緩和が挙げられます。また、胃腸の不調や喘息・気管支炎などの消化器・呼吸器系疾患、高血圧・低血圧などの循環器系疾患の改善にも効果があるといわれています。さらに、坐骨神経痛や慢性疼痛などの疼痛(とうつう)性疾患全般において、痛み止めを飲む以外に処置ができない場合にも、鍼灸治療が有効な場合があるのです。鍼灸では、「症状を一時的に抑える」「痛みの原因を直接的に取り除く」といった対処療法ではなく、自然治癒力を高めることで回復を目指します。そのため、継続した治療で体質を改善していくことで、徐々に症状が緩和されていくのです。泌尿器系・産婦人科系の症状を解決する治療法としても、鍼灸が注目されています。「妊活」という言葉が広く知られるようになり、不妊治療についてもさまざまな方法に関心が集まるようになりました。その結果、不妊治療専門病院への通院と並行して、鍼灸治療に通う人も増えています。冷え性や月経異常といった女性特有の疾患の解消だけでなく、男女ともに自律神経を整えることは妊娠に向けての身体作りとしてとても大切です。原因不明の不妊に悩んでいたカップルが、鍼灸治療に通うようになって子宝に恵まれたという声も多く、西洋医学では解明できない分野でも鍼灸の効果は見逃せません。「検査結果に異常はないものの、どことなく身体の調子が悪い」といったときには、鍼灸が有効なことがあります。東洋医学には「未病」という考え方があり、病気やけがの「治療」だけでなく、発症する一歩手前で「予防」するという観点でも鍼灸は注目されているのです。高齢社会において、「予防医学」はますます重要な役割を担うようになってくるでしょう。その他にも、感覚器系の疾患、各種小児疾患についても、鍼灸治療は有効とされています。

 

☆資格を活かせる一生モノの仕事

鍼灸師とは、身体の不調や疾患をやわらげる治療から、美容的措置、けがの予防に至るまで、さまざまな分野で効果を発揮します。そのため、整形外科、内科、不妊外来、エステサロン、スポーツマッサージなど、あらゆる分野の専門機関と並行して通う人も多く、総合的な治療に役立ちます。健康志向の高まりにともなって、今後ますます鍼灸師の活躍の場は広がっていくでしょう。資格があるからこそ「いつまでも」「どこでも」できる一生モノの仕事として、鍼灸師を目指してみませんか。

 

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