鍼灸コラム

コラム(症状別・豆知識)

肩こりにペタッ!貼って治すシール鍼って本当に効くの?

2018.10.23

鍼治療に使う鍼というと極細の長いものをイメージするのが普通かもしれません。しかし、肌に直接貼り付けることで鍼治療とほぼ同等の効果を期待できるシール鍼というものがあることはご存知でしょうか?つらい肩こりを治すのに鍼治療を試してみたいと思っても、鍼灸院に通う時間がなかなか取れない人や、鍼灸院に通って鍼を打ってもらうのを面倒に感じる人もいるかもしれません。ここではそんな人にぴったりなシール鍼をご紹介します。

 

☆シール鍼ってシール?それとも鍼?

シール鍼という名前を聞いて、気になる人が多いのは、鍼状になっているのか、それとも鍼と同等の効き目があるシールなのかという点かもしれません。実は、シール鍼には、鍼が付いているものと、鍼と同じようにツボを刺激することができる粒状の金属が付いているものの2種類あります。鍼が付いているタイプは、円形のシールの中央部分に長さが0.3mm~1.5mmのごく短い鍼が付いている円皮鍼です。一方、鍼を使っていないタイプは、円形のシールの真ん中にツボを持続的に刺激するための特殊な金属の粒が付いています。貼ることでツボが刺激され、鍼治療と同じような効果を期待できるため、いずれのタイプもシール状の治療器具という捉え方をすればよいでしょう。円皮鍼は長さが短いとはいえ刺さる部分がありますから、使用することでごく浅い位置に鍼が刺さったままの状態を維持することができます。鍼治療の効果を得ながら、作業をすることも可能なので、忙しい人に向いていると言えます。一方、特殊金属の粒を使用するタイプは、肌の上に粒を置くことで刺激を与えます。どちらのタイプも痛みはほとんどありませんが、鍼を刺すのが怖い人や痛みに弱い人には、粒状の金属で刺激するタイプがおすすめです。

☆シール鍼はどんな肩こりに効くの?

鍼による肩こりの治療には2つの意味があります。ひとつはコリができている筋肉の深い部分に直接働きかけ、自然治癒力によって血流を集中させること、もうひとつはツボを刺激して、不快な症状を解消することです。しかし、シール鍼は鍼という名前が付いていても、ごく短い鍼か特殊金属の粒しかついていないため、深い部分へのアプローチには使えません。ですから、シール鍼で肩こりの症状を緩和するというのであれば、期待する作用は後者になります。ツボを刺激することによって、血行を促したり自律神経のバランスを整えたりするのがシール鍼の目的ですから、血行不良によって起こっている肩こりだけでなく、精神的なストレスなど過度の緊張感から起こっている肩こりにも効果を期待できます。ただし、ツボによって対応する症状が異なるため、症状に合ったツボを正しく選んで適度な力で刺激することが大事です。肩こりに効果的なツボは肩から首周りを中心に、手にもあります。シール鍼の魅力は、付けたままの状態でも上から服を着て動くことができる点です。ツボの位置を正しく理解したうえで使うようにしましょう。

 

☆シール鍼は貼りっぱなしでもいいの?

シール鍼はツボの上に貼って持続的に刺激を与えることを目的にしていますから、ある程度の時間は貼りっぱなしにする必要があります。長く貼ることを目的にしているシールですから、肌が弱い人はシール部分でかぶれを起こす可能性があります。シールとの相性を調べてから使用したほうがよいでしょう。シール鍼はシール本体が防水になっていることが多く、貼ったまま入浴することも可能です。1週間から10日前後貼りっぱなしにすることも想定されていますが、シール鍼の上から力がかかったり、頻繁にこすれたりしやすい位置に貼る場合は注意したほうがよいでしょう。たとえば、肩こりで両肩と首の中間点にある肩井(けんせい)は、ショルダーバッグのベルトが当たる位置にあるツボです。刺激が強くなりすぎると、治療効果よりも悪影響の方が出やすくなります。日常的にショルダーバッグを使う場合は貼りっぱなしを避けるか、貼っているあいだはショルダーバッグの使用を中止したほうが良いかもしれません。シール鍼は手軽に使えますが、貼りっぱなしにすることを考えると、ツボの位置を正確に理解したうえで利用することが大事です。

 

☆シール鍼の関心度はどれくらい?

最後に、肩こりに悩んでいる人を対象に、シール鍼を使ってみたいかどうかアンケートを取ってみました。

【質問】
「シール鍼」を使ってみたいと思いますか?

【回答結果】
使ってみたい : 190
使ってみたくない : 59

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年08月21日~2017年08月28日
有効回答数:249サンプル

★シール鍼を試してみたい人は多い

今回のアンケートでは、4人に3人がシール鍼を使ってみたいと答えました。

・鍼治療には前から興味がありましたが、鍼灸院には怖いイメージがあって行ったことがありません。シール鍼なら手軽なので、試しに使ってみたいと思いました。(50代/専業主婦(主夫)/女性)
・貼るだけなら手軽そうだし、痛みがないのなら貼ってみたい(30代/正社員/女性)
・鍼灸接骨院に行く時間がないので、気軽に使えるシール鍼がいいと思う。(30代/正社員/男性)

使ってみたいと答えた人のコメントを見ると、痛みの少なさや手軽さが魅力のようです。実際の鍼治療は怖くて受けられないという人でも、シール鍼なら試せそうだと感じていることがうかがえました。一方、使ってみたくないと答えた人のコメントは次の通りです。

・治療院で先生に付けてもらうならいいのですが、自宅等で自分の手で付けるのは抵抗があります。付ける場所を間違えることや、衛生面の不安が一番大きいです。短いとはいえ鍼を刺すので、間違えて跡が残ったりしないか心配です。(30代/正社員/女性)
・専門の鍼灸より手軽に、安くできそうですが、シールを貼るツボをきちんとわかっていないと効果がなさそうな気がします。(50代/個人事業主・フリーランス/女性)
・鍼灸師に貼ってもらうのであればシール鍼も悪くないかもしれません。しかし、自分で貼るのであれば入手も簡単で、効果もそれなりに感じることの出来る磁気治療器のようなものの方がいいと思います。(50代/正社員/男性)

使ってみたくないと答えた人のコメントを見ると、シール鍼自体がどのようなものかがわからない人や、シール鍼の効果が信用できない人が多いことがうかがえました。また、ツボの位置に詳しくない素人が貼ると効き目がきちんと現れないのではないかと考えている人も少なくないようです。

今回のアンケートでは、シール鍼の認知度がまだまだ低いように感じられました。今後、シール鍼の効果や使い方が浸透すれば、もっと使ってみたいと思う人が増えるように思われます。

☆まとめ

シール鍼はツボの上に貼るだけで鍼治療と同等の効果を期待できる便利なものです。しかし、貼りっぱなしにするものですから、正しく使うことが大事です。また、市販の製品に関しては自分で貼って使うことが前提とされていますが、十分な効果を発揮させるためには、ツボの位置に正しく貼ることが欠かせません。ツボの位置がよくわからないということであれば、最初は鍼灸師に円皮鍼を貼ってもらい、正しい位置を覚えるようにしてもよいでしょう。
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私は、ほとんどの患者様にシール鍼を使っています。
治療後の効果持続の意味でも使っていまして、日々の臨床で有効性を実感しています。
特殊金属の粒タイプは耳に使用しています。
いわゆる「耳ツボ療法」ダイエット、不眠、アレルギー等多くの疾患を調整することができます。
ただし、ツボや経絡から外れた個所に貼ってしまうと効果が半減しますので、
鍼灸師の指導を受けた上で、シール鍼を使用することをお勧めします。

東洋鍼灸専門学校 学科長補佐

松田 直哉(まつだ なおや)

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