鍼灸コラム

コラム(症状別・豆知識)

肩こりに鍼は効果あり?痛みを和らげるメカニズムとは?

2018.10.22

慢性化したつらい肩こりには鍼を使った治療が効果的だといわれています。それは、身体の表面からでは届かない深いところにできたコリにも、長い鍼を使えば直接刺激を与えることができるからです。では、実際に鍼を打つことによって、身体のなかではどのような変化が起こるのでしょうか?ここでは、肩こりの解消のために筋肉やツボに鍼を打ったとき、身体のなかでどのような変化が起こるのか、鍼治療の仕組みと効果について解説していきます。

☆鍼を打つと身体はどうなるの?

鍼治療では、コリができている部分か症状に対応するツボに鍼を打ちます。ツボとは、刺激を与えると何らかの効果を得られることが長年の経験によりわかったポイントです。ですから、実際に不調が感じられる場所とは離れた場所にあっても、ツボに刺激を与えると特定の箇所への血流が増えるなどの変化が起こります。鍼治療を行ったときに身体で起こる変化は主に次の2つです。

・血流がよくなる
・自律神経の働きが正常化する

血流または自律神経の働きが回復することによって、緊張して硬くなっていた筋肉がほぐれたり、内臓の働きがよくなったりします。肩こりに悩む人の多くは、鍼による治療を最終手段のように考える傾向があり、肩こりの治療で鍼を受けるときには、かなり慢性化してからになるケースがほとんどです。ですから、筋肉が硬くなった箇所だけでなく、身体の至る所にあるツボに鍼を打つことで対応します。筋肉のコリに直接鍼を打つ場合には、その箇所に微細な傷が作られるため、その傷を修復するために血液が集中するようになり、血流が回復します。ツボに鍼を打つ場合には、ツボに対応する箇所で血流が回復したり、乱れていた自律神経の働きが回復したりすることによってコリが解消されると考えられます。

 

☆鍼が効きそうなのはどんな症状?

では、一般の人はどんな症状のときに鍼を受けるとよいと思っているのでしょうか?効き目がありそうだと思うのはどのような症状か、アンケートを取って聞いてみました。

★肩こりや腰痛を挙げる人が大多数

・深い部分のコリの緩和。実際に鍼治療を受けて、どうしようもないコリをほぐしてもらったことがあるから。(40代/個人事業主・フリーランス/女性)
・血行不良による肩こりに効果があるように思います。血の巡りが改善されるからです。(50代/公務員/男性)
・鍼は筋肉に刺激を与えるので、筋肉が関係している症状はすべて効果があると思います。私は筋肉に鍼を打って電気を流してもらうと一瞬で軽くなり、痛めた箇所などはすぐに動くようになりました。(40代/正社員/女性)
・肩こりとそれから来る眼精疲労や頭痛など。肩こりがいろいろな上半身の不調を引き起こすことがあると聞いたので、鍼治療で肩こりが治れば他の症状も楽になると思うから。(20代/学生/女性)
・腰痛です。実際に腰痛持ちで鍼をうってもらったら、すごく楽になったからです。(20代/パート・アルバイト/女性)
・まず筋肉のコリや炎症、しびれなどでしょうか。コリを感じる部分の筋や筋肉を直接刺激しそうですね。(30代/正社員/男性)

【質問】
鍼を打つと治りそうに感じるのはどのような症状ですか?

【回答結果】
フリー回答

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年08月21日~2017年08月28日
有効回答数:220サンプル

今回のアンケートでは、肩こりや腰痛など筋肉のハリをほぐす効果を期待する声が目立ちました。特に肩こりを挙げる人は多く、実際に受けて楽になったというコメントも多数見られました。なかには、鍼でツボを刺激することによって血流が改善されれば、血流が関係している症状はほぼすべて対象になるのではないかという意見もありました。鍼というとピンポイントの治療というイメージを持つ人が多いのではないかという予想に反して、実際には体中のあらゆる部分の痛みに効くと考えている人が多いことがわかりました。では、続いて肩こりの原因や症状について見ていきましょう。

 

☆肩こりは原因も症状もひとつじゃない!

肩こりはさまざまな原因によって起こります。ですから、それぞれの原因や症状に合った治療を行うことが重要です。肩こりの最終的な原因は血行不良ですが、血行不良を引き起こす原因が異なると効果的な対処法も違ってきます。ですから、原因を正しくつかむことが大きなポイントになります。たとえば、長時間同じ姿勢を保ち続けた場合や、逆に常に筋肉を動かし続けた場合などは筋肉に疲労物質である乳酸が溜まり硬くなります。硬くなった筋肉に血管が圧迫されて血行不良なり肩こりになるというパターンです。このタイプの肩こりは、筋肉の硬くなった部分をほぐすことで血行が回復し痛みが和らぎます。一方、ストレスが原因の肩こりは、自律神経の乱れが血行不良の原因です。この場合はストレスの原因を取り除いたり、自律神経のバランスを整えたりする必要があります。血行不良の原因が身体の冷えの場合には、どこが冷えているかを突き止め、その部分を温めることを優先します。指先に痺れを伴う肩こりは要注意です。ストレートネックなど骨格的な問題や、頸椎椎間板ヘルニアのような病気が絡んでいる可能性が考えられますから、先に整形外科で骨格的な問題や病気の有無を確認します。どのような対処法を取るかを考えるのはそのあとにしたほうが良いでしょう。

 

☆鍼が肩こりに効果的と言われるのはなぜ?

肩こりには直接的なものから間接的なものまでさまざまな原因があります。筋肉が硬くなることが血行不良の原因であっても、肩周囲以外の筋肉に原因があることも少なくありません。たとえば、目の周囲や頭の筋肉が硬くなって血行不良を引き起こしたことが肩こりに繋がっていることも考えられます。そのうえ、いくつかの原因が複雑に絡んで起こるケースもあるのですから、単に肩周囲の筋肉をほぐすだけでは、一時的に肩こりが解消しても、またすぐにぶり返してしまうのも無理はありません。その点鍼治療では、硬くなっている筋肉に直接鍼を打ちながら、並行して冷えに効くツボや精神的なリラックスを促すツボなどにも刺激を与えることが可能です。複合的な治療を行えるため、原因が複雑に絡んでいる肩こりの治療にも効果を発揮するというわけです。また、マッサージなど身体の表面にだけ刺激を与える方法とは異なり、鍼は打つ深さを変えることによってコリに直接働きかけることができます。特に深い部分にできてしまったコリにまでアプローチできる方法は鍼治療特有のため、慢性化したしつこい肩こりに悩まされている人は、ほかの方法では治らない肩こりでも鍼は効くと感じることになります。

 

☆まとめ

一口に血行不良による肩こりと言っても、血行不良になる原因がさまざまで、治療方法を間違えると十分な効き目を得られません。特に、重度の肩こりは複数の原因が絡んで起こっている可能性もあり、さまざまな方向からアプローチする必要があります。鍼による治療は、肌表面のごく浅い部分にも深い部分にも刺激を与えることができ、コリに直接働きかけながら、同時にコリを生み出す原因にも働きかけることができるため、肩こりの解消に効果的なのです。
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長時間のデスクワーク・パソコン作業、スマホで、肩こりを感じている人は多いですね。
肩や首がこっていると、頭への血液の流れも悪くなって、頭もぼんやりしてくることが多いようです。
はりきゅうは"カチカチ"になった首、肩を"ふにゃふにゃ"にしてくれます。
ぜひ一度体験してみてください!

東洋鍼灸専門学校 鍼灸あん摩マッサージ指圧科 学科長

種田 啓子(たねだ けいこ)

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