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つらい肩こり!本当に鍼で改善できるの?

2017.9.30

日本人には肩こりに悩む人が多く、国民病と呼ばれることもあります。肩こりは放っておくと症状が進み、対処しても元の状態に戻るまでに時間がかかるようになってしまいます。ですから、まだ症状が軽いうちに適切な方法でコリをほぐすことが大事です。肩こりがひどいときにどんな方法で解消するかは人によってまちまちですが、鍼治療もそんな対処法のなかのひとつです。ここでは、重度の肩こりにも効果があると言われる鍼治療について解説します。

 

☆肩こりの治療のために鍼治療を受けたことがある方はどのくらいいる?

最初に、つらい肩こりを治すために鍼治療を選んだことのある人がどれくらいいるかを調べてみました。

【質問】
肩こりの治療のために鍼治療を受けたことがありますか?

【回答結果】
はい:28
いいえ:72

調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 – 29 30 – 39 40 – 49
調査期間:2017年08月21日~2017年08月28日
有効回答数:100サンプル

★鍼治療は最終手段?

今回のアンケートでは、肩こりの治療目的では鍼治療を受けたことがないという人が7割以上を占めました。

・受けたことないです。何となく鍼が痛いイメージが強くて行くまでにいたりません。元々、痛みに強いタイプではないので整体の方に行ってしまいます。(30代/パート・アルバイト/女性)
・まだ鍼治療を受けるほどの、ひどい肩こりを経験したことがないのでしたことがありません。これから、もし肩こりがひどくなるようなことがあれば一度受けてみたいと思います。(40代/専業主婦(主夫)/女性)
・家の近所に鍼治療をやっているところがないから。(30代/派遣社員/男性)

肩こりの治療のために鍼治療を受けたことがないと答えた人のなかには、腰痛などほかの目的では鍼治療を受けたことがあるという人も含まれています。こちらの解答を選んだ人のコメントには「鍼が怖い」「痛そう」という意見以外に、「鍼治療を受けなければならないほどひどい肩こりではないから」という声が目立ちました。鍼治療は肩こりがひどくなってから受けるものだと思っている人が多いことがうかがえます。一方、肩こり治療のために鍼治療を受けたことがあると答えた人のコメントは以下の通りです。

・血流が悪いことと筋肉が固くなっているという理由で病院の方に勧められました。続けると楽になりました。(20代/専業主婦(主夫)/女性)
・普通のマッサージより直接コリに効きそうなので選びました。とても効果があり助かりました。(30代/正社員/男性)
・肩こりも慢性的にひどくなると、家で家族に揉んでもらうだけでは限界があります。専門家の鍼治療で肩回りを治療してもらうと、自分でやるのとは比にならないぐらいに痛みが取れますし、すっきりします。(30代/個人事業主・フリーランス/女性)

受けたことがあると答えた人のコメントを見ると、受けてみた結果まで書いている人がほとんどで、楽になったという声が多くありました。マッサージや整体など、ほか他の手段は一通り試したうえで鍼に行き着いたという人も少なくないようです。鍼を実際に受けたことがある人のコメントからも、鍼治療は肩こりがひどくなってからの最終手段のように考えている様子がうかがえました。では、この結果を踏まえたうえで、肩こりの緩和を目的にした鍼治療について詳しく見ていきましょう。

 

☆肩こりにおすすめの鍼治療!その理由は?

肩こりを和らげる方法はいろいろありますが、なかでも鍼治療は、症状が進んだつらい肩こりにも対処できる方法として人気があります。鍼治療の一番の特徴は、皮下の浅いところから筋肉の深いところまで自在に刺激する箇所を変化させられるということです。マッサージは広い範囲に対応しやすいものの、肌の表面近くだけにしか刺激を与えることができません。お灸も基本的に熱が伝わる範囲だけしか刺激できません。あまり遠くまで刺激を伝えようとすると、お灸を置いた位置の刺激が強くなりすぎてしまい逆効果になってしまいます。その点、鍼治療は刺す位置も深さも症状に合わせて微妙に調節することができるうえに、本数を加減することで治療範囲も選ぶことが可能です。鍼治療では、針先で細胞に微細な傷を付けます。傷ができると、人間の身体はその傷を修復するために血液を集中させ、元通りに治そうとします。そのような人間が本来持っている自然治癒力を、不快な症状を取り除くために利用するのが鍼治療です。鍼治療に用いられる鍼の太さは髪の毛よりも細い0.12mmから採血用の注射針よりも細い0.44mm程度ですから、傷とは言ってもそれほど大きなものではなく、血液が集まるきっかけ程度のものです。ですから、鍼を刺したときの痛みはそれほど強いものではありません。鍼治療は鍼を刺した箇所の回復作用で血液が集まってくるのですから、周囲の血流も良くなります。滞っていた血液の流れが盛んになればコリがほぐれやすくなるため、肩こりの改善におすすめなのです。
詳しくは、「つらい肩こりに悩む人必見!鍼に期待できる治療効果とは?」をご参照ください。

 

☆肩こりの際の鍼治療!期待できる効果とは?

肩こりの治療では、鍼で作った傷に血液を集めて自然治癒力を高めるという目的だけでなく、ツボに適度な刺激を与える目的でも鍼を用います。人間の身体には数多くのツボが点在しており、そのなかには肩こりに効果があると言われているものも複数あります。そのようなツボは、適度な強さで刺激を与えることによって不快な症状を軽減できることがわかっています。たとえば、目の疲れが原因で肩こりが起こっている場合には、肩に直接鍼を打つ以外に、目の疲れを解消するツボにも鍼を打てば根本的な原因にも対処することができます。精神的な疲れから肩こりが起こっている場合には、リラクゼーション効果の高いツボに鍼を打つことによって、複合的にアプローチすることも可能です。鍼治療では同時に複数の原因に対処することができるうえに、根本原因にも対応できるため、効果が持続しやすい点がほかの対処法とは異なっています。特に、複数の原因が複雑に絡んでいて簡単には症状が緩和できないような重度の肩こりに鍼治療を用いると、違いがよくわかります。鍼を刺す深さをコントロールすることで刺激する位置や深さを変化させることができ、鍼を打つ箇所を組み合わせることで複数の原因にも一度に対応できる点が肩こりの治療向きと言えます。症状の違いや個人差によって治療の期間や回数は異なりますが、微細な傷が回復するまでの期間は約3日ですから、最初は効果を実感できる期間があまり長くありません。ですから、初めのうちは週に2回程度の頻度で鍼を打ち、症状をできるだけ軽くします。そのあとで、徐々に間隔を開けて計10回程度の治療を行うのが一般的です。
詳しくは、「肩こりに鍼は効果あり?痛みを和らげるメカニズムとは?」をご参照ください。

 

☆鍼は打つ位置が肝心!肩こりを和らげるツボとは?

肩こりに効果的とされているツボはたくさんありますが、鍼治療でよく用いられるのは次の5つのツボです。
・首と肩の中間点にある肩井(けんせい)
首の真後ろの出っ張った骨と左右の肩を結ぶラインのちょうど中間点にあるツボです。頭痛を伴う場合や、背中が傷む場合にも肩井を刺激すると痛みが和らぎます。
・首の後ろ両脇にある肩中癒(けんちゅうゆ)
首の後ろの出っ張った骨から指3本ほど左右にずれた位置にあるツボが肩中癒です。痺れを伴うような強い肩こりのときにもこのツボを刺激すると効果があるといわれています。
・頭の付け根にある天柱(てんちゅう)
後頭部の中心から生え際のラインに沿って指を左右に動かしていったとき、左右の太い筋を超えた位置あるのが天柱というツボです。このツボを刺激すると頭部への血行が良くなるため、肩や首のコリが軽減します。
・両耳の後ろ側にある風池(ふうち)
後頭部の生え際のラインを探っていき、天柱を超えて耳の後ろ近くまで指を動かしていくと見つかるのが風池というツボです。頭痛や首こりにも効果を期待できるツボです。
・手にあり気軽に押せる合谷(ごうこく)
合谷は肩周囲ではなく、両手の親指と人差し指の付け根が合わさる位置にあるツボです。精神的な緊張が原因で起こっている肩こりにもよく効く素人でも刺激しやすいツボです。
鍼治療では、これらのツボを中心に、症状に合うツボを組み合わせて鍼を打って行きます。ツボに鍼を打つと、血流が促進されたり、自律神経や内臓の働きが正常化したりしますが、刺激するツボによって効果は異なります。
詳しくは、「指で押しても鍼を刺しても効果的!覚えておきたい肩こりのツボ」をご参照ください。

 

☆手軽さが魅力!シール鍼はどう使う?

鍼が肩こりによく効くということはわかっても、頻繁に鍼を打ってもらいに行く時間がないという人もいるでしょう。そんな人におすすめなのがシール鍼です。シールタイプの鍼には、0.3 mm~1.5mmという細くて短い鍼が付いた円皮鍼という円形のシールと、特殊な金属の粒が円形のシールの中央部についているものの2種類があります。どちらのタイプも持続的にツボに刺激を与える目的で作られたもので、特に強い痛みは感じません。ただし、ショルダーバッグのベルトが当たる部分や、洋服がすれる部分などに貼ると、こすれて痛みを感じることはあります。シールの素材は水に強いものなので、付けたままお風呂に入ることもできます。1週間~10日程度貼りっぱなしにしておくことも可能で、鍼治療と同等の効果が得られるといわれています。ただし、肌の弱い人はシールによるかぶれに注意をする必要があります。特に汗をかく場所はかぶれやすく、普段はかぶれない人でも貼りっぱなしにしておくとかぶれることがあります。シール鍼は市販のものも多く手軽に貼れますが、ツボの位置にきちんと貼らなければ期待した通りの効果は得られません。ツボによって得られる効果も異なるため、肩こりが気になるなら肩こりに効くツボがどこにあるのかをしっかり調べてから、正しい位置に貼ることが大事です。もしも正しいツボの位置がわからない場合は、鍼灸院でも円皮鍼を貼ってもらうことは可能ですから、最初はプロの鍼灸師に頼んで貼ってもらってもよいでしょう。
詳しくは、「肩こりにペタッ!貼って治すシール鍼って本当に効くの?」 をご参照ください。

 

☆つらい肩こりには鍼の利用がおすすめ

肩こりは血行不良によって起こるケースがほとんどですが、血行不良に至る原因がいろいろあります。ですから、一時的に血行を良くしても、またすぐに硬くなってしまうことも少なくありません。そこで、血行を改善しながら、血行不良の原因にも同時にアプローチできる鍼治療がおすすめなのです。鍼は深いところにあるコリにも直接働きかけることができる点がほかの対処法と異なる点ですが、長い鍼は怖いという人は、シール鍼から試してみてはいかがでしょうか。

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