鍼灸コラム

コラム(症状別・豆知識)

10分で理解!奥深いツボの効果を徹底説明

2017.8.21

体の至るところに点在する「ツボ」。肩が凝ったときや、パソコン作業で目を酷使したとき、重い荷物を運んだときなど、つい指を当てて押してしまう場所ですが、ツボにはどのような由来や科学的根拠があるのか、ご存知でしょうか。この記事では、ツボの健康効果や、近年明らかになったツボ効果の最新エビデンス、そしてツボの効果的な時間帯などについて詳しくお話していきますので、参考にしてみてくださいね。

 

☆ツボ効果の根拠と健康効果とは?

まずはツボの効果に関する一般的な根拠についてお話していきましょう。そもそもツボとは、東洋医学の考え方に基づいた体の調子を整える大切な部分です。東洋医学では、あらゆる自然現象は「気」によって構成されると考えられており、人の体もまた「気」が網目のように張り巡らされていると考えられています。この気が張り巡らされている道筋のことを「経絡(けいらく)」と呼び、人体は「気」のほかに、「血」や「水(液)」もこの経絡を伝って臓器や器官を結びつけて、生命を維持しているとされています。この経絡のポイントとなるところが「経穴」と呼ばれており、これがツボにあたるのです。
経絡の流れがスムーズだと、内臓や器官も活発に働くことができ、体の調子が悪くなることはないのですが、「気・血・水(液)」の中のどれかひとつでも流れが乱れたり滞ってしまったりすると、内蔵や器官の調子が悪くなると考えられ、また反対に内蔵・器官の調子が悪くなると、経路を伝ってツボにコリや痛みといったサインが表れるのです。
またツボは刺激することで、近くの神経から脳や視床下部に信号が送られるため、神経伝達物質の分泌や血行を促進させる効果があるということが分かっています。こうした根拠から、ツボを押すことでストレスや冷え性、肩こり、疲労、頭痛などの緩和のほか、肌荒れやシミ、シワといった美容面にも効果を期待できるのです。仕事で忙しい方から、美容に関する悩みのある方まで広くカバーできるのは、ツボの大きな特徴と言えるでしょう。
詳しくは、「根拠はある?ツボ押しの効果とメカニズム」をご参照ください。

 

☆ツボ効果の科学的根拠と最新研究結果を探る!

ツボは目に見えない「気」に基づくものなので、過去には「ツボの健康効果には科学的根拠がない」という意見もありました。しかし研究の結果、科学的根拠を見出そうと、さまざまな臨床実験や研究が行われており、国内外でツボの効果が認められてきています。
昔からツボは、周囲より電気が通りやすく、温度が高いと言われてきましたが、これは科学的アプローチにより、毛細血管や神経が集中しているためだということがわかっています。また、ツボ周辺の毛細血管近くには、免疫を司るリンパ球の働きを活性化させ、組織間の栄養や水分の移動を円滑にする「サブスタンスP」と、血管を拡張させて血行を促進させ、さらに心拍数を減少させる「CGRP」という化学物質の繊維も多いということが判明しました。つまりツボを刺激することで、サブスタンスPとCGRPが放出されるため、免疫機能のアップや疲労回復、血行促進作用があるというメカニズムが、段々と分かってきたのです。
そのほかツボを刺激すると、神経伝達物質のひとつ「βエンドルフィン」が分泌されることも解明されています。このβエンドルフィンは鎮痛効果が高いことで知られており、頭痛や関節痛などさまざまな痛みを緩和させてくれるのです。
こうした科学的根拠が解明されていることから、ツボは国内外で多くの医療機関で治療法として用いられています。ツボ刺激によって自律神経を整えることで、PTSD(トラウマ)やうつ病の治療にも効果があるとされています。これはアメリカのNREPPという政府機関にも科学的に根拠のある心理療法として認められているものです。その効果はもちろん、気軽に自分でケアできるというメリットも大きいですね。
詳しくは、「体の不調にツボは効果あり?ツボの科学的な根拠を徹底解説」 をご参照ください。

 

☆ツボ押しはこの時間に!症状ごとの効果的な時間帯について

ツボは気づいたときに自分で押すだけなので、いつでもどこでもすぐに体のケアできるのが魅力的ですが、実はツボには効果的な時間があると言うのをご存知ですか?自分の症状を把握して、ツボを押す時間を選ぶとより効果を発揮することができるのです。
「気」は時間帯によって、経絡が開きやすくなって気が強くなる時間帯があります。深夜0時と朝6時、お昼の12時、夕方6時は全体の経絡が開きやすくなりますが、さらに臓器や器官によって最も経絡が開く時間帯は異なります。それでは時間ごとに効果的な器官について時間を追って説明します。まず午後11時から午前1時は胆のう、午前1時から午前3時は肝臓、午前3時から午前5時は肺に繋がる経絡が開きやすくなります。便秘や下痢といった大腸に関する症状に悩んでいる方は、午前5時から午前7時の間に大腸に気が入りやすくなるので、この時間にツボを刺激するのがおすすめです。続いて午前7時から午前9時は胃、午前9時から午前11時は脾臓、午前11時から午後1時は心臓、午後1時から午後3時は小腸に繋がる経絡が開きます。尿漏れや膀胱炎など、膀胱にまつわる症状にお悩みの方は、膀胱に気が流れやすくなる午後3時から午後5時がおすすめです。午後5時から午後7時は腎臓、午後7時から午後9時は喜怒哀楽にまつわる心包、午後9時から午後11時は水分代謝にまつわる三焦に気が入りやすくなります。
しかし、深夜など眠っている時間に無理してツボを刺激するのでは、睡眠不足やストレスに繋がってしまいかねないので本末転倒です。そういった場合は、臓器に特化した時間帯ではなく、先ほどお話した深夜0時と朝6時、お昼の12時、夕方6時の体全体の経絡が開きやすい時間にツボを刺激するようにしましょう。また、飲食後30分以内は血液が胃に集中しているため、ツボを刺激すると消化が遅くなり胃に負担をかけてしまいます。そのため、いくら経絡が開きやすくなる時間帯だからといって、食後にツボを刺激するのは控えましょう。
詳しくは、「気の流れと効果に関係がある?ツボ押しに適した時間とは」 をご参照ください。

 

☆現代人の不調にぴったりなツボは?ツボの場所と効果を一覧紹介!

ツボは、WHO(世界保健機構)が認知しているものだけでも全身に361ヶ所あり、実際にはもっと多くのツボがあるといわれています。それら一覧を全てご紹介するのでは膨大な数になってしまうので、ここではさまざまな症状を緩和させてくれる便利なツボをはじめ、現代人が悩みがちな眼精疲労や心のイライラなどといった現代病に関するツボを一覧でご紹介します。
まず万能なツボとしてご紹介するのは、「百会(ひゃくえ)」と「合谷(ごうこく)」、「足三里」です。1つ目の百会は、両耳と鼻の延長線が交わる頭のてっぺんにあるツボで、頭痛や目まい、耳鳴り、抜け毛、ストレス解消に役立つといわれています。2つ目の合谷は手にあるツボで、親指と人差し指の骨が交わる部分に位置します。合谷を刺激すると、頭痛、歯の痛みなど上半身の痛みをはじめ、風邪や肩こり、ストレスといったさまざまな症状に効果があります。最後の足三里は、ひざの皿のすぐ下にある外側のくぼみに人差し指を沿え、そこから指を4本揃えて小指が当たるところにあります。主な効果的な症状としては、体力増強、病気予防、むくみ、胃腸の強化、膝の痛みなどが挙げられます。
次は現代病に効くツボです。眼精疲労に効くツボとしておすすめなのが、「風池(ふうち)」と「晴明(せいめい)」です。風池は耳の後ろにある、出っ張っている骨から2 cm~3cmほど首側、また髪の生え際よりもやや上でくぼんでいるところにあり、晴明は目頭からやや鼻側に向かった箇所にあります。晴明を押すときは目を閉じて眼球を押さないよう、痛気持ちいい強さで刺激しましょう。風池は眼精疲労だけでなく目の疲れによる頭痛や肩こりにも効果があります。
心のイライラに悩んだときは、手のひらにある「神門(しんもん)」と「労宮(ろうきゅう)」を刺激して解消しましょう。神門は手首の横ジワを小指側へ向かってなぞり、腱近くにある小さなくぼみにあり、労宮は拳を握り締めたときに、薬指と中指の先が当たる間にあります。ツボの刺激の仕方は、ゆったりとした呼吸を意識しながら、息を吐くときに押すようにするとよいでしょう。
詳しくは、「効果と場所が早わかり!代表的なツボを一覧」 をご参照ください。

 

☆ツボ押しを実際に体験した人はどれくらい?

ツボ押しは気軽に行える体調管理と分かっても「気持ちよさより痛みの方が上回りそう…」というイメージもあるので、施術を迷う方もいるでしょう。そこで、これまでツボ押しを受けてみたいと思ったことがあるか、またそう思った理由について男女100人にアンケートをとってみました。

 

【質問】
ツボ押しを受けてみたいと思ったことはありますか。

【回答結果】
はい:87
いいえ:13

調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 – 29 30 – 39 40 – 49
調査期間:2017年06月14日~2017年06月21日
有効回答数:100サンプル

★ツボ押しを受けたい人が圧倒的!腰痛や冷え性など体の不調に期待する声続出

アンケートは、ツボ押しを受けたいという声がなんと9割近くに上る圧倒的多数でした。それでは、「はい」と答えた方の声をピックアップしてみて見ましょう。

・年齢とともに、体のあちこちにガタが出てきて…ツボ押しで悪いところを発見出来たり、体が楽になるならやってみたいです。(40代/女性/パートアルバイト)
・目・肩・腰が重く感じ、セルフケアでは限界を感じたから。自分でツボを押しても正直うまく押せているかわからないので、きちんとした技術と知識を持った人に施術をしてもらいたい。マッサージでもいいがツボ押しのほうが効きそうだから受けてみたい。(30代/男性/会社員)
・冷え性がひどくて、以前受けたことがあり、かなり効果があった。今は金銭的な余裕があまりないため、受けていないが、受けたいと常々思っている。(40代/女性/専業主婦(主夫))

一方で、「いいえ」と答えた人の声もご紹介しましょう。

・何となく痛みの方が強く感じられそうな気がするので、抵抗があります。(40代/女性/個人事業主・フリーランス)
・人に触られるのがあまり好きではないからです。
(20代/女性/専業主婦(主夫))

アンケートを見てみると、ツボ押しの効果に期待して施術を受けてみたいと答えた方が圧倒的に多い結果になりました。「いいえ」と答えた方もいましたが、「ツボ押しは痛いイメージがある」というほかにも、「そもそも体の不調は無い」「体を触られることが苦手」という答えが多く、ツボ押し自体に抵抗があるという方は少数派でした。

やはり、ツボ押しが体に良いというイメージは多くの方が持っていると言えるのでしょう。

 

☆まとめ

ツボは古くから日本人の健康療法として知られていたので、そもそもどういう意味があるのか、科学的根拠はあるのかなど、基本的なことについて考えている方はそう多くないかもしれません。しかし、ツボの健康メカニズムをはじめ、効果的なツボ刺激方法を知っていくことで、より自分の体の調子と向き合うきっかけになるのではないでしょうか。ツボは家庭でも手軽に取り入れやすい療法なので、ぜひ今回ご紹介したツボも挑戦してみてください。

東洋医学についての詳細はこちら

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