卒業生の活躍例
卒業生の活躍例
西洋医学との連携によって東洋医学の活動領域が拡がり、スポーツ医療、高齢者医療、美容等と活躍の場が広がっています。いかに科学が発達しても、人の手の温もりから感じる安心感に勝るものはありません。
臨床現場の第一線、教育現場、鍼灸ジャーナリズム、海外での東洋医療普及など、さまざまなジャンルで活躍する先輩6名を紹介します。
鍼灸への理解を広める
―鍼灸ジャーナリスト―
松田 博公 昭和63年卒業
鍼灸ジャーナリスト
元共同通信 編集委員
東洋鍼灸専門学校 顧問
鍼灸医学にひかれたのは、30代までに2度大病したことと、中国思想への関心からでした。四十歳の時、同じ学ぶなら本格的にと思って、古典主義を掲げていた本校の夜間部に入りました。奥深い鍼灸臨床の世界はたやすく言葉にできないと、長く控えていたのですが、5年前に一念発起し、全国の鍼灸家80人にインタビューしてまとめたのが『鍼灸の挑戦』です。幸い、患者さんや次世代鍼灸師の支持を得て、約3万部が読まれています。鍼灸の応援団を自認しつつ、本校の授業や各地の講演で、鍼灸の面白さ、可能性を話させていただいています。

間中喜雄博士直筆「デカルト達磨」の絵と共に(2005年7月、間中賞受賞時)
●著書/『鍼灸の挑戦』(岩波新書)で第19回間中賞受賞。2008年から雑誌『鍼灸ジャーナル』(緑書房)で名鍼灸師との対談「日本鍼灸を求めて」を連載中。
業界の発展に寄与
―学術・資質の向上を図る―
小松 秀人 昭和57年卒業
十字堂鍼灸院 院長
(社)日本鍼灸師会 常任理事・学術局長
(社)全日本鍼灸学会 理事・学術副部長
国民から信頼される鍼灸師は、自らの意志で自発的に取組む生涯研修が責務であり、その姿勢は、はり師・きゅう師の国家資格を取得している医療人としての使命であると考えます。卒後は個々の資質向上の努力に対し社会的に評価を高める役割があり、良質な鍼灸医療を国民に反映していかなければなりません。患者さんは安全と信頼による鍼灸を安心して受けたいニーズがあると共に権利を持っています。そのために私達はより質の高い鍼灸医療を提供しなければなりません。
そこに生涯研修の意義があると考えます。共に勉強をしていきましょう。

講義風景(当校にて)
海外で活躍
―ネパールに在住し、鍼灸の普及活動に邁進―
畑 美奈榮 平成元年卒業
ティテパティよもぎの会 会長
OTTC(東洋医学専門学校) 創始者
医療施設が不足しているネパールで旅行中に患い、大掛かりな器具や医薬品の要らない東洋医学、特に鍼灸あんまの必要性を身をもって体験。資格を得てネパール入りしOTTCを開校、現在70名あまりの卒業生がカトマンズを中心に活躍している。身体を芯から暖める灸療法はネパール人に最適な治療法であることを確信。自生するヨモギからモグサを作り経済発展のため日本へ輸出することを計画、日本政府の支援でモグサ工場完成。2006年2月に1000キロのモグサ完成。

JICAオフィス表敬訪問(左から2番目)
病院で働く
―がん患者さんの緩和治療―
鈴木 春子 平成4年卒業
無量光寿庵はる治療院 院長
国立がんセンター中央病院麻酔科
緩和ケアチーム
父が胃がんで亡くなった30年前、疼痛管理は十分になされていなかった。苦しむ父を見かね、担当医に「もう少しモルヒネを」と訴えたときの気持ちは、忘れられない。今ではがん性疼痛の管理も進み、8、9割はモルヒネで改善するが、モルヒネの効きにくい痛みや抗がん剤の副作用によるしびれ、病気の進行に伴う不安やいらいら感などに、灸は全人的治療を行うことができる。温かい手、笑顔、技術により、がん患者さんのQOL向上を願う私は常に学徒であって、患者さんは先生であり、また父であると思う。

施術風景(国立がんセンター中央病院にて)
様々な経験を経て開業
―保険制度確立に奔走中―
大口 俊徳 昭和54年卒業
大口鍼灸治療院 院長
(社)日本鍼灸師会 常任理事・保険局長
私が二十歳の時、インドにボランティアに行ったのがきっかけで、世界の病気で苦しむ貧しい人の為に働く鍼灸師になることを決めた。帰国後、当校に入学し3年卒業後、直に南米ペルーに渡り病院で鍼灸治療を行い2年後に帰国した。
その後は、病院勤務を2年。退職する半年前に二足の草鞋を履きながら開業。5年後には、実家の所沢に鍼灸専門の治療院を新築し現在に至る。常に安価で良質な鍼灸医療を患者さんに提供することを目指し、日本の鍼灸の保険制度確立に向けて奔走する毎日です。

大口治療院前
大学で研究・教育
―鍼灸あん摩の原点伝える―
形井 秀一 昭和54年卒業
筑波技術大学・保健科学部 保健学科 鍼灸学専攻 教授
(社)全日本鍼灸学会 参与・研究副部長
日本伝統鍼灸学会 学会会長
人が人を治すことなど、本来、他者に出来ることではない。人は自らの力で治るだけだ。
しかし、人が苦しむ様を見ると、人は何かをしようとする。
それが、医療行為の始まり。 他者の苦しみを和らげてあげようと心が動く人は、医療人の素質があると言えるだろう。それは簡単な方法。
あなたの隣にいる人に手を伸べ、言葉をかけてあげること。
2000年間伝承され続けたはり、きゅう、あん摩の原点がそこにある。

講義風景(筑波技術大学にて)
●著書/『治療家の手の作り方ー反応論・触診学試論ー』(六然社)、『カラーアトラス取穴法』『レディース鍼灸』(医歯薬出版社)、『からだの声を聴く―東洋医学がよくわかる54話』(医道の日本社)など






